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JFEグループCSR報告書2017|JFEホールディングス株式会社

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編集方針

CONTENTS

「JFEグループCSR報告書」は、JFEグループのCSR活動をステークホルダー の皆様にご報告し、ご意見をいただくことで活動と開示の充実を図るコミュ ニケーションツールとして発行しています。2015年は主に以下の試みを行 いました。

・社会性データの集計範囲をすべてのJFEグループ連結子会社まで拡大(従 業員データなど)

・環境データの集計範囲を省エネ法の報告義務を負う国内グループ会社と、主 要海外グループ会社まで拡大(エネルギー使用量とそれに伴うCO₂排出量など)

◦報告対象範囲 対象期間

2014年度(2014年4月1日~2015年3月31日) 一部対象期間外の活動報告も含む

対象組織

持株会社:JFE(ジェイエフイー)ホールディングス(株)および傘下の3つの事 業会社:JFEスチール(株)、JFEエンジニアリング(株)、JFE商事(株)を報告 の主体とし、一部JFEグループ396社(連結子会社328社、持分法適用会社68 社)の活動を含む

定量情報の一部は、以下のグループ会社を含む(対象会社名は「環境データ集」に記載) ・JFEスチールグループ:

   [環境] 国内外連結子会社31社および持分法適用会社2社 ・JFEエンジニアリンググループ:

   [環境] 国内連結子会社11社(主要な生産子会社を含む) ・JFE商事グループ:

[環境] 国内外連結子会社32社(鋼材加工会社) [社会] すべての連結子会社107社

◦関連する報告

以下の情報をホームページに掲載しています。 http://www.jfe-holdings.co.jp/

CSR(社会・環境)

CSR報告書(ハイライト・CSR報告書・環境データ集)PDF JFEグループのCSRへの取り組みに関する最新情報など 会社概要

JFEグループの事業概要、コーポレート・ガバナンスなど 株主・投資家の皆様へ

JFEグループの経営情報、財務情報、株式・格付情報など JFEグループ TODAY(PDF)

JFEグループの事業活動内容など

◦発行時期

2015年9月(前回発行:2014年9月、次回発行予定:2016年9月)

◦参照したガイドライン

GRI「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン第4版(G4)」 環境省「環境報告ガイドライン2012年版」

環境省「環境会計ガイドライン2005年版」

活動主体を分かりやすくす るため、各活動項目に右のア イコンを表示しています。

各項目の活動主体の区分 JFEスチール(株)

JFEエンジニアリング(株) JFE商事(株)

02

JFEグループのCSR

03

TOP MESSAGE

05

JFEグループの事業と社会

09

FEATURE 1 

世界最高の技術で

環境課題の解決に貢献

15

FEATURE 2 

多様な人材を確保し、

育成していくために

マネジメント

19

コーポレート・ガバナンス

23

コンプライアンス

25

リスクマネジメント

地球環境保全のために

27

環境マネジメント

31

環境重点目標と実績

33

マテリアルフロー

35

地球温暖化の防止

40

環境の保全

42

資源循環

44

環境配慮商品・技術

47

環境コミュニケーション

社会の発展に貢献するために

49

お客様・お取引先様とともに

52

株主・投資家の皆様とともに

53

地域社会の皆様とともに

56

従業員とともに

61

社外からの評価・社内表彰

62

GRIガイドライン対照表

64

環境省「環境報告ガイドライン2012」対照表

65

第三者意見

◦CSR報告書の構成とメディア

詳細版の補遺版として、よ り詳細な環境データをまと めています(PDF) 当社グループのCSR活動に ついて、網羅的にご報告し ています(PDF)本誌

CSRの主な取り組みを、分 かりやすくお伝えしていま す(冊子・PDF)

環境データ集(Web)

CSR報告書(Web)

ハイライト (冊子、Web)

E

(3)

JFEグループ企業行動指針

JFEグループの役員および社員は、「企業理念」の実現に向けたあらゆる企業活動の実践において、「行動規範」の精神 に則るとともに以下の「行動指針」を遵守する。経営トップは自ら率先垂範の上、社内への周知徹底と実効ある体制整 備を行い、企業倫理の徹底を図るとともに、取引先にもこれを促す。

本行動指針に反する事態には、経営トップ自らが解決にあたり再発防止に努める。また、社内外への迅速かつ的確な情 報公開を行い、権限と責任を明確にした上で厳正な処分を行う。

1. 良質な商品・サービスの提供

優れた技術に基づいた安全で高品質の商品とサービスの提供 に努めるとともに、個人情報・顧客情報の保護に十分配慮し、 お客様から高い評価と信頼を得る。

2. 社会に開かれた企業

株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを図り、 企業情報について、社会への積極的な情報公開に努める。

3. 社会との連携と協調

良き企業市民として、社会との連携と協調を図り、積極的な 社会貢献に努める。

4. グローバル化

グローバルな視点をもち、各種の国際規範はもとよりそれぞ れの文化や習慣を尊重し、世界の様々な人々との相互理解に 努める。

5. 地球環境との共存

地球環境との共存を図るとともに、快適な暮らしやすい社会 の構築に向けて主体的に行動する。

6. 政治や行政との関係

政治や行政との健全かつ正常な関係の維持・構築に努める。

7. 反社会的勢力への対応

市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および 団体とは、一切の関係を遮断し、違法・不当な要求には応じ ない。

8. 人権の尊重

社会の人々、従業員を個として尊重し、企業活動において一 切の差別を行わない。

9. 働きがいのある職場環境

従業員にとって魅力に富み、安全で働きがいのある職場を提 供する。

10. 法令の遵守

法令を遵守し、公正で自由な競争に心がけ、適法な事業活動 を行うとともに、健全な商慣習に則り、誠実に行動する。

JFEグループは「常に世界最高の技術をもって社会 に貢献します。」という企業理念を実践していくため に、行動規範・企業行動指針を定めています。それら に基づき、コンプライアンスの徹底、環境保全活動の 強化に努めているほか、安全、防災、品質、人権など を重点テーマとしてさまざまな取り組みを推進してい ます。

事業運営に際しては、公正・公平・透明なコーポ レート・ガバナンス体制のもと、お客様・お取引先 様、株主・投資家の皆様、地域社会の皆様、従業員な ど、すべてのステークホルダーの利益にかなう諸施策 の実行に努めています。

これからも、行動規範である「挑戦。柔軟。誠実。」 の精神に則りながら、CSRを果たすべく真摯に取り組 んでいくことで、社会に信頼されるJFEグループであ り続けたいと考えています。

JFEグループのCSR

JFEグループは、

常に世界最高の技術をもって

社会に貢献します。

挑戦。

柔軟。

誠実。

企業理念

行動規範

(4)

このたび、JFEホールディングス代表取締役社長に 就任いたしました。JFEグループは、「常に世界最高 の技術をもって社会に貢献する」ことを企業理念とし て掲げ、すべてのステークホルダーにとっての企業価 値の向上に努めてきました。JFEグループは、鉄鋼事 業・エンジニアリング事業・商社事業などさまざまな 分野で事業を展開しており、それぞれの分野で培って きた世界最高水準の技術や知識を活用することで 「社 会・経済の持続的発展」「地球環境の保全・再生」 とい う課題に対して、解決に向けたソリューションを提供 しています。

これら課題解決に向けてグループが総力を結集し、 社会とともに持続的な成長を遂げるためには、グルー プの価値観・方針・理念を踏まえ、事業展開の舵取り をしていく「求心力」とそれぞれの事業が独自に発

展していく「遠心力」の2つの力が重要です。持株会 社であるホールディングスのガバナンス機能を通じ て、この2つの力をバランスさせながら、グループ全 体の企業価値向上ならびに企業理念の実現を目指し ます。

当社は2015年4月に2015~2017年度の事業運 営の指針となる「JFEグループ 第5次中期経営計画」 を発表しました。本計画はさまざまに変動する事業環 境に「技術優位性」「多様な人材力」「グループの総合 力」を高めることで対応し、「お客様に世界最高の技術 とサービスを提供するグローバル企業」の実現を目指 すものです。JFEグループは、本計画を着実に遂行す ることにより、それぞれの事業活動を通じて持続可能 な社会の構築に貢献していきます。

JFEホールディングス株式会社 代表取締役社長(CEO)

世界最高の技術とサービスを提供する

グローバル企業

の実現を通じて

持続可能な社会の構築に貢献します

JFEグループ企業理念を実現して社会に貢献

(5)

TOP MESSAGE

JFEグループは地球環境の保全・再生を経営の最重 要課題の一つと位置付け、これまで培ってきた世界最 高水準の技術を活用することで、地球環境課題の解決 に貢献しています。

鉄鋼事業では、長年にわたって製造プロセスにおけ る、省資源・省エネルギーおよび環境負荷低減に取り 組んできました。省エネルギー技術の開発や設備導入 などを推進してきた結果、エネルギー効率は世界最高 水準を達成しています。また、環境配慮型の高機能鋼 材の開発・供給を通じて、最終商品として使用される 段階でのCO₂削減にも寄与しています。

さらに、当社が有する世界最高水準の技術を世界各 地に移転・普及させていくことにより、地球規模での 省資源・省エネルギーに貢献していきます。当社はこ れら課題解決に向けた取り組みを「世界有数のグロー バル鉄鋼サプライヤー」としてのミッションであり、 また企業としての成長機会であると考え、継続的な活 動として推進しています。

エンジニアリング事業では、生活や産業を支えるエ ネルギーの供給、環境や都市インフラなど、社会基盤 整備のさまざまな分野において、最先端技術を活用し た商品・サービスを提供し、国内はもとより、世界各 国の持続的成長に大きく寄与しています。

商社事業では世界19カ国に広がる拠点のネットワー クを活用し、省エネルギー商品の普及や物流の効率化 を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。

JFEグループが持続的に成長し、社会に貢献してい く力の源泉は人材であり、人材の確保・育成はグルー プ全体の重要な課題です。このため当社は、多様な人

材の採用と育成を着実に進めるべく、グループ全体の 活動の方向性を示す指針として「JFEグループ人材マ ネジメント基本方針」を制定しました。グループ各社 において本方針に基づき、具体的な施策を展開してい きます。

JFEグループでは、「ダイバーシティの推進」を重要課 題と位置付けており、国籍・性別に関係なく、多様な 人材がその能力を最大限に発揮して活躍できる職場環 境の整備に取り組んできました。これらの取り組みが 評価され、経済産業省と東京証券取引所が共同で、女 性活躍推進に優れた上場企業を評価する「なでしこ銘 柄※」に2年連続(2014年・2015年)選定されました。

また、製鉄所などの製造現場を中心に世代交替が急 速に進んでおり、技術・技能の蓄積と伝承が大きな課 題となっています。この課題の解決に向けて教育制度 を整備し、これまで個人に蓄積された「知」「技術」を 着実に未来の世代に伝承し、技術力・現場力の確実な 向上に取り組んでいきます。

JFEグループは、経営の原則である「公正・公平・ 透明」を貫き、「挑戦。柔軟。誠実。」の行動規範のも と、グループの総力を結集し、「常に世界最高の技術を もって社会に貢献する」ことを企業理念に21世紀の エクセレントカンパニーを目指して挑戦し続けてまい ります。JFEグループは、お客様・株主の皆様・従業 員・地域社会ほかすべてのステークホルダーの皆様と 長期的な信頼関係を築きながら、これからもともに歩 んでいきたいと考えております。

成長の基盤としての人材力の強化

社会に信頼されるJFEグループとして

「地球環境の保全・再生」課題への

ソリューションを提供

(6)

【 商社事業 】

●JFE商事株式会社  ●東京本社(東京都千代田区)  大阪本社(大阪市北区) ●売上高(連結):1兆9,344億円  ●従業員数(連結):6,667名

【 鉄鋼事業 】

●JFEスチール株式会社  ●本社(東京都千代田区) ●売上高(連結):2兆8,738億円  ●従業員数(連結):43,680名

お客様のニーズに対応した高機能商品を展開

世界トップクラスの銑せんこう鋼一貫メーカーです。東西2大製鉄所体制に よる高い国際競争力を持ち、世界有数の技術と商品開発力を活か した「お客様の多様なニーズにお応えする」各種高付加価値商品 を製造・販売しています。

◦高機能鋼材および省エネルギー貢献商品の開発 

◦製造プロセスの省エネルギー技術開発と世界への普及貢献 

◦鉄スクラップリサイクルの推進 持続可能な社会構築への貢献

社会。地球。

持続可能な社会を支える3つの事業

JFEグループは鉄鋼、エンジニアリング、商社の3つの事業を中心とした企業グループです。 長い時間をかけて鍛え上げてきた技術は、鉄を中核として、

エネルギー技術や資源リサイクル技術など広い範囲にわたり、

地球上のいたるところで、いろいろな形で力を発揮しています。素材として、あらゆる可能性を秘める鉄。 常に世界最高の技術をもって、持続可能な社会の構築のために貢献しています。

グループ中核商社として、新たな価値を創造

鉄鋼製品の取り扱いを中心に、鉄鋼原料・非鉄金属・化学品・燃 料・資機材・船舶の国内取引および輸出入取引を行い、食品・エ レクトロニクス事業も展開しています。

◦環境負荷・エネルギー低減商品の普及 ◦省エネルギー輸送の拡大

◦鉄スクラップリサイクルの推進 持続可能な社会構築への貢献

鉄づくり

流通

(7)

【 エンジニアリング事業 】

●JFEエンジニアリング株式会社

●本社(東京都千代田区)/横浜本社(横浜市) ●売上高(連結):3,673億円 

●従業員数(連結):8,472名

環境、エネルギー分野で最新技術を提供

コアとしている都市環境・エネルギー分野では、多様な資源をク リーンエネルギーとして有効利用するための技術を提供していま す。また、橋梁などの鋼構造や産業機械の分野で社会基盤整備に貢 献しています。

◦再生可能エネルギーの普及 ◦廃棄物リサイクルの拡大

◦都市環境プラントとインフラの整備 持続可能な社会構築への貢献

名称(商号) JFEホールディングス株式会社

本社所在地 〒100-0011 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号

設立年月日 2002年9月27日

資本金 1,471億円

従業員数(連結) 58,856名

URL http://www.jfe-holdings.co.jp/

3

8,503

億円 戦略機能を発揮して企業価値を最大化

JFEホールディングスは、持株会社として、グループ 全体の経営戦略策定や資金調達を行うとともに、上場 会社として、対外的な情報発信を担っています。また、 事業会社は、事業分野ごとの特性に応じた最適な業務 執行体制により、競争力の強化と収益力の拡大を通じ て企業としての持続的な成長を図り、企業価値の向上 に努めています。

■ 鉄鋼事業

74.6%(2兆8,738億円)

■ エンジニアリング事業 9.5%(3,673億円)

■ 商社事業

50.2%(1兆9,344億円)

グループ内取引調整額 △34.3%(1兆3,253億円)

調整額(1兆3,253億円)には、セグメント間の内部売上高または振替高とし て、鉄鋼事業:1兆160億円、エンジニアリング事業:84億円、商社事業:3,010 億円が含まれています。

会社概要(2015年3月31日現在)

グループ 総売上高 構成比

(8)

第5次中期経営計画

世界最高の技術とサービスを提供するグローバル企業

を目指して

JFEグループは、2015~2017年度の事業運営の指針となる中期経営計画を策定しました。 国内においては国土強靭化の取り組みやオリンピック・パラリンピックへの対応、

海外では新興国を中心とする社会インフラ増強や省エネルギー・環境対応ニーズの拡大など、 さまざまな社会的要請や経済情勢の変化に的確かつ迅速に応え、

21世紀のエクセレント・カンパニー集団を目指す新たな挑戦に取り組みます。

2015

2012

第4次中期経営計画

における主な成果

第5次中期経営計画

2015

2017

年度

2012

2014

年度

❶ スチール事業

  中長期的視点に立った国内基盤整備推進

  海外プロジェクトの拡大(タイ・インドネシアほか)

❷ エンジニアリング事業

  環境分野・電力創生分野の受注拡大   海外事業拡大へ向けた環境企業買収

❸ 商社事業

  北米などの海外拠点拡大

❹ グループ共通

  ダイバーシティの推進、優秀な人材の確保、育成   「なでしこ銘柄」2年連続選定

(9)

【 企業理念 】

JFEグループは、常に世界最高の技術をもって

社会に貢献します。

事業活動を通じて持続可能な社会の構築に貢献し、 自らも持続的に成長していける企業グループ

目指す姿

財務目標

財務健全性

:国際格付A格相当 

資本効率

:ROE

(自己資本利益率)

10%超

グループ共通施策 各事業会社の取り組み

1

国内収益基盤の強化

さらなる設備のリノベーション

設備更新を推進しエネルギー効率をさらに向上   (国内設備投資拡大:6,500億円/3カ年規模)

多様なエネルギーソースへの対応、提案型一貫サービス提供

2

技術優位性による企業価値向上

先進技術のさらなる高度化チャレンジ

中長期を見据えた次世代プロセス技術、新商品開発   (技術開発力強化:研究開発費+10%、研究員数+7%) お客様・市場ニーズへ対応する新商品開発

3

海外事業の収益拡大

海外投資額拡大:2,000億円/3カ年規模

環境配慮商品を海外拠点で現地生産

環境配慮商品を東南アジア中心にグローバル展開

海外拠点を活かした地産池消展開による効率向上

4

多様な人材の確保と育成

グループ人材の能力を 最大限発揮できる環境整備

[共通]

◦JFEグループ人材マネジメント基本方針制定 ◦ダイバーシティ推進、技術・技能の蓄積と伝承 ほか

5

持続的な成長を支える企業体質強化

中期経営計画を推進し、

企業理念を実現するための諸施策

[共通]

(10)

地球温暖化防止

事業プロセスにおけるCO₂排出量を低減

資源循環の拡大

社会からの期待

JFEの取り組み 先進の省エネ技術開発と実用化、 世界最高効率の製鉄プロセスを実現

S 第一次オイルショック(1973年)以降

 

37%

省エネルギー実現

使用段階でのCO₂排出削減に寄与する 高機能・高効率な商品提供

JFEの取り組み 社会からの期待

強度を確保しつつ軽量化を図れる高機能鋼材や、 自然エネルギーから高効率で発電できる商品の 開発と提供

S 高機能鋼材でCO₂

26百万トン

※1削減に貢献 E再生可能エネルギー発電

700MW

※2

※1 日本鉄鋼業全体での代表的な高機能鋼材5品種による国内外のCO₂削減 効果(日本エネルギー経済研究所による試算) 

※2 2015年6月現在、JFEエンジニアリング累積建設設備容量  ※3 2015年8月現在、JFEエンジニアリング累積建設規模

JFEの取り組み

社会からの期待 資源循環ソリューションの提供

廃棄物を製鉄プロセス原料、 発電エネルギーとする技術開発

S 廃プラスチック原料化

12万トン

/

Eバイオマス発電

300MW

※3 Tヤシガラ集荷ヤード

国内商社初

E廃棄物発電

66カ所

※3

世界最高の技術で環境課題の

JFEグループは世界最高の技術で、事業プロセスの環境負荷を低減するだけでなく、 独自の商品やサービスを通じて、社会と連携しながら環境問題の解決に貢献しています。

JFEグループの技術による3つの環境対応

2

資源循環

の拡大

1

地球温暖化

防止

1

2

(11)

生物多様性保全

商品・サービスによる 海洋生態系保全への貢献 社会からの期待

JFEの取り組み 海洋環境を保全・再生する商品を 開発して提供

S 海洋環境再生事業5カ所に

  鉄鋼スラグ

60万トン

供給

Eバラスト水処理

700隻

以上

解決に貢献

油など化石燃料の大量消費による資源

の枯渇や温室効果ガスの発生による地 球温暖化が進行し、異常気象や海面上昇などと の強い関連性が指摘されています。また、海洋 環境の汚染や船舶の多国間移動に伴い、バラス ト水に含まれる外来種の移動による海洋生態系 への影響も懸念されており、国際的に規制が強 化されています。

JFEグループは環境理念「地球環境の向上を 経営の重要課題と位置付け、環境と調和した事 業活動を推進することにより、豊かな社会づく りをめざします」のもと、鉄鋼・エンジニアリ ング・商社それぞれの事業で培ってきた世界最 高の技術や商品・サービスをもって、さまざま な地球環境問題解決に貢献しています。

次世代開発 現在

〈 環境に配慮した 〉

事業プロセス

商品・サービス提供

ソリューション提供

革新的製鉄技術

さらなる高機能商品

3

生物多様性

保全

3

(12)

事業プロセスにおけるCO₂排出量を低減

〈 JFE グループに対する社会からの期待 〉

革新的な高炉原料でCO₂削減

フェロコークス

「フェロコークス」とは、低品位の石炭と鉄 鉱石を原料とし、成型、乾留によりコーク ス中に金属鉄を分散させた高炉原料です。金属鉄 が高炉での還元反応の速度を速めるため、従来よ りも少ない還元材量で酸化鉄を還元できることか ら、CO₂排出量の大幅削減と省エネルギーを実現 できます。パイロットプラントでの長期製造試験 と、実高炉での使用試験により、還元材比やコーク ス比が計画通り低下することを実証しました。

●燃焼範囲 ●焼結層内の温度変化

従来技術 (空気のみ)

従来技術(空気のみ) Super-SINTER® Super-SINTER® OXY 空気

都市ガス 酸素

Super-SINTER® SINTER® Super-OXY

0

0

5

10

15

20

25

点火炉

酸素配管

都市ガス配管

1,500 1,200 900 600 300

温度(℃)

間(

焼結機進行方向

● 焼結工場

温度測定位置(左図)

焼結原料

高温領域(赤色部)

フェロコークス

(C+Fe)

焼結鉱

(酸化鉄 Fe+O) ● 従来原料

● 新開発原料

コークス

(還元材 C)

金属鉄 炭素

Fe

Fe Fe

Fe Fe

Fe Fe

省エネ

(最大約10%) CO₂削減

高炉設備

銑鉄

羽口

水素系ガスでCO₂削減、品質改善

Super-SINTERⓇと

Super-SINTERⓇ OXY

Super-SINTER®は、焼結鉱の 製造プロセスで使用する粉コー クスの一部を天然ガスなどの水素系 ガスで代替することで、エネルギー効 率が大幅に改善し、焼結鉱の品質が改 善します。これまでJFEスチールの全 焼結工場への展開が完了しました。 さらに酸素・水素系ガスの複合吹込 み技術「Super-SINTER®OXY」を開 発、東日本製鉄所の全焼結機(2基)に 導入しました。高品質焼結鉱の生産性 を飛躍的に改善することで、高炉の コークス比低減に寄与し、CO₂削減 にもつながります。

地球温暖化防止

1

対応技術

S

S

(13)

使用段階でのCO₂排出削減に寄与する

高機能・高効率な商品提供

各部品に合わせてさまざまな性能のハイテンを使い 分けることで、軽量化と強度の維持というトレード オフを解決し、CO₂排出量低減に効果を発揮します。

ハイテンは薄肉 でも衝突時のエ ネルギー吸収は 従来材と同等 〈 JFE グループに対する社会からの期待 〉

部品種類 引張強さ(MPa)

外板(深絞り) 270-440 外板(張出し) 270-440 骨格(エネルギー吸収) 590-980 キャビン(乗員保護) 780-1470 バンパー・ドアビーム 980-1470

ルーフ トランクリッド

サイドパネル

ドアアウター ドアビーム

フェンダー キャビン(乗員保護)

骨格 (エネルギー吸収) フードアウター

フードインナー

車両重量

高張力鋼(ハイテン) 従来材 薄肉化

C

O

₂排出量

重 軽

低温の蒸気や熱水も無駄なく利用

地熱バイナリー発電

地熱発電は化石燃料を使用しない ため、CO₂排出がほとんどなく、 季節や天候に関わらず安定した発電が可 能です。JFEエンジニアリングが提供す る地熱バイナリー発電は、低沸点媒体を 蒸発させタービンを回して発電する方式 で、従来の地熱発電では利用されてこな かった低温の蒸気や熱水を無駄なく利用 できる高効率で、かつ、白煙や臭気を大 気に放出しないため環境に優しいシステ ムです。

JFEエンジニアリングは日本で最初の松 川地熱発電所(岩手県)をはじめ、現在全 国にある地熱発電所のうち、約半数の9 カ所で蒸気設備の納入実績があります。 現在、1基が鹿児島県指宿で2014年10 月より始動、もう1基が福島県土湯温泉 で建設中です。

高機能鉄鋼材料の開発供給を通じて CO₂削減

自動車の軽量化

鋼板を高張力(ハイテン)化するこ とで、自動車の衝突安全性を維持 しつつ軽量化が図れ、走行時の排出CO₂ 削減や地球温暖化の抑制に貢献できま す。JFEスチールでは、外板用としてユ ニハイテン®、骨格構造用には高成形性 冷延・溶融亜鉛めっきハイテンをライン アップして、自動車の車体軽量化に貢献 しています。

対応技術

マグマ だまり

高温蒸気を利用した

従来の地熱発電

低温蒸気と熱水を利用した

地熱バイナリー発電

蒸気溜

タービン

発電機

発電機 空冷 コンデンサ タービン

還元井

地下貯留層

冷却塔

熱交換器 気水分離器

気水分離器

蒸気 熱水 還元熱水 低沸点の媒体 (ペンタン)

S

E

(14)

バイオマス発電を事業化

グリーンエナジー津

JFEエンジニアリングはカーボンニュートラルなエネルギー源であるヤシガラ(Palm Kernel Shell:PKS)や木質チップを燃料として、20MW(約43,900世帯分に相当)を発電するバイオ マス発電所を、2016年7月の商業運転開始に向けて津製作所構内に建設中です。

燃料の木質チップは地域の未利用間伐材を積極的に利用し、三重県の地域創生に貢献していきます。 JFE商事は、マレーシアからのPKSの安定供給体制を構築し、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。

資源循環の拡大

2

省資源・CO₂排出削減に貢献する

使用済みプラスチック

高炉吹き込み技術

JFEスチールは1996年に世界で初 めて使用済みプラスチックの一貫 高炉原料化技術を開発・実用化し、鉄鉱石 の還元材として使用するコークスを減ら し、高炉のCO₂排出を削減しています。 2007年にはプラスチック微粉化技術を 実用化し、高炉での反応効率を高め、さら なる省資源化・CO₂排出削減を達成して います。

対応技術

資源循環ソリューションの提供

〈 JFE グループに対する社会からの期待 〉

使用済みプラスチック

所内利用 高炉ガス(燃料ガス)

微粉化後プラスチック

高炉設備

銑鉄

羽口

プラスチック

C+H 還元ガスCO+H₂

鉄鉱石

Fe+O 銑鉄Fe

完成予想図 ヤシガラの船積み

S

E

T

(15)

マリンストーン®

水を浄化して生態系を保全

バラスト水処理システム

JFEバラストエースⓇ

JFEバラストエース®は、船舶のバラス ト水中の生物を除去・殺菌する水処理 システムです。

近年、船舶が船体バランスをとるために各地 で注水・排水を繰り返す、バラスト水に含ま れる海洋生物により生態系が乱されること が危惧され、「バラスト水管理条約」による船 舶へのバラスト水処理装置の搭載が要求さ れることに対応するシステムです。 JFEバラストエース®は2015年6月時点で 700隻以上の船舶に採用されています。 バラスト水 注水時

(揚荷時)

シーチェスト

逆洗水放流

バラストタンク

ミキシング プレート インジェクター フィルター

液体/顆粒の 殺菌剤

殺菌剤 投入量を 自動制御 撹拌/混合

殺菌剤注入 50µm以上の

プランクトンを 元の海に戻す

TRO計 流量計

海藻が着生した マリンストーン® 業界トップクラスの発電効率

廃棄物発電

最新鋭のストーカ炉システムである「ハイパーZ シリーズ」は、高温空気吹き込み技術や排ガス再 循環技術など、最高水準の開発技術を搭載した廃棄物発 電システムです。業界トップクラスの発電効率を達成 し、地域の電力需要と資源循環に貢献しています。 また、2014年、遠隔監視システム「JFEハイパーリモー ト®」を開発し、横浜本社と当社運営のごみ焼却プラント を高速光回線網で接続、本社技術員が各プラントの運転 状況を一括で把握できるようになりました。

生物多様性保全

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対応技術

商品・サービスによる海洋生態系保全への貢献

〈 JFE グループに対する社会からの期待 〉

鉄鋼スラグで海洋環境を再生

マリンストーンⓇ

製鋼スラグ粒度調整材

マリンストーン®の優れた特性として、海底から発 生する硫化水素の抑制効果があります。硫化水素が 発生すると、悪臭がしたり、魚介類に悪影響を与えたりし ます。マリンストーン®は、海底の環境を修復し、生物の住 みやすい環境を整えます。また、人工岩礁帯として積み上 げることで、藻場造成材としても利用されています。

マリンストーン®

マリンストーン®の優れた特性として、海底から発

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多様な人材を確保し、育成して

複雑化・多様化する変化の激しい経営環境のもと、グローバル競争を勝ち抜くために、 多様な人材を安定的に採用し、これまで蓄積された技術・技能を

新しい世代へ円滑に伝承していくとともに、グローバル人材の育成に取り組んでいます。

大規模なベテラン層の定年退職および新入社員の採用に伴う大幅な年齢構成の変化により、技術力・現場力の強化に必要な 技術・技能の蓄積と伝承が喫緊の課題となっています。JFEグループの競争力の源泉である技術力・現場力の維持・向上のた め各事業会社にて様々な取り組みを強力に推進しています。

人材育成の充実

 技能伝承

JFEエンジニアリングでは、従来からのベ テランによる職種別技能教育に加え、溶接 直視カメラや3D組立図などIT技術の積極導入に より 「技能の見える化」を進めています。 JFEスチールでは、従来からの技能評価システムや各種研修

プログラムに加え、2013年度よりテクニカルエキスパート 制度を開始しています。

熟練技能を有するベテラン従業員を専任の教育講師として製鉄所の 重要プロセスごとに配置し、非定常・低頻度作業への対応力強化を 図るために現場での実地指 導や座学教育などを行って います。現在は約160名 を配置しており、人材育成 の充実に努めています。

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先達から引き継いだ「知」・「技術」を確実に未来の世代につなぐとともに、 国内でも海外でも力を発揮できるグローバル人材の育成に取り組んでいます。

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海外事業を拡大していくうえではグローバル人材の育成は必要不可欠です。外国籍の総合職従業員および海外現地スタッフの 採用・育成に加え、日本人従業員に対しては、従来から実施している海外留学・研修の充実だけでなく、若手従業員の積極的 な海外派遣により実務経験を通じた人材育成を強化しています。

「JFEグループは、常に世界最高の技術をもっ て社会に貢献します。」という企業理念の実現 に向け、グループ全体の活動の方向性を示す 指針として、第5次中期経営計画の策定と合わ せ、2015年4月に「人材マネジメント基本方 針」を定めました。グループ各社において、本 方針に基づき、実情に応じた具体的な施策を展 開していきます。

JFEグループ人材マネジメント

基本方針策定

グローバル人材育成

❶ 人権の尊重と公平・公正な人材マネジ メントの推進

❷ 「人を育てる企業風土」の醸成と「働き がいのある職場」の構築

❸ ダイバーシティの推進 ❹ 優秀な人材の確保および 育成の着実な実施

グループ人材マネジメント基本方針

JFEスチールでは海外事業の 拡大に対応するため、海外経 験の機会拡大を目的に、技術系従業 員の国際学会派遣や研究留学・海外 語学研修を実施してきました。さら に2014年度には事務系の新入社員 全員(34名)を海外事務所・現地法 人に派遣する研修を開始し、顧客訪 問や営業補助を通じて海外のビジネ スに触れる機会を創出しています。

JFEエンジニアリングでは、海 外事業の拡大を進めており、 グローバル人材の育成に注力してい ます。その一貫として、若手従業員 を積極的に海外プロジェクトや海 外現地法人へ赴任させる取り組み を行っています。海外子会社のナショ ナルスタッフの本社研修を常時実施 し、文化風習の違いを超えて業務を 実施する風土を醸成しています。

JFE商事では、海外展開を積 極的に推進しており、国内外 で活躍できる人材の育成を強化して います。海外駐在や語学研修などの さまざまな赴任形態を有し、多くの 従業員が入社後の早い時期から海外 経験を積んでいます。また、ナショナ ルスタッフにはマネジメント研修を 東京本社で実施するなど、グループ 全体の人材育成に取り組んでいます。

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いくために

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JFEグループでは、女性従業員の積極的な採用や法定を大きく上回る 育児支援制度の充実、ダイバーシティ推進室による研修・啓発活動な ど、女性の活躍を推進するための様々な施策を展開しています。このよ うな活動が評価され、2015年3月には経済産業省と東京証券取引所に 女性活躍推進に優れた上場企業として2年連続で「なでしこ銘柄」に選 定されました。また、「平成26年度ものづくり基

盤技術の振興施策」(ものづくり白書) にも当社の 取り組みが掲載されました。今後も女性の活躍促 進に注力していきます。

JFEグループではダイバーシティを推進しており、異なるライフスタイルや家庭状況など、

多様な背景を持つ従業員の能力を最大限に引き出すための戦略として重要な経営課題の一つと位置付けています。

● 女性管理職登用に関する数値目標

● 働きやすい魅力ある企業として育児支援制度を充実

● ダイバーシティ推進室の拡充

ダイバーシティの推進

 女性の活躍推進

出産・育児を経ても働き続けることができる職場環境の整備

2012年に女性および外国籍従業員の採 用の拡大に対応するため、JFEスチールにダ イバーシティ推進室を設置し、階層別研修 や女性交流会など、研修・啓発活動を行っ てきました。その活動をほかの事業会社にも 展開するべく、2015年にJFEエンジニアリ ング、JFE商事にもダイバーシティ推進室を 設置しました。今後は好事例の水平展開だ けでなく、グループ共通の取組を検討するな ど、さらなる活動の充実を図っていきます。 女性の活躍を着実に推進するために、JFEグループとして2020年には

女性管理職従業員の人数を3倍とする目標を設定しました。目標を設定し た2014年8月末時点のJFEホールディングス、JFEスチール、JFEエン ジニアリング、JFE商事における女性管理職の管理職全体に占める人数は

JFEグループでは男女雇用機会均等法の趣旨を踏まえ、性別に関わらず人事賃金 制度などにおける平等な取扱はもちろんのこと、法定を大きく上回る育児休業・育 児短時間勤務期間の設定、事業所内保育所の設置、保育料補助など、出産・育児を 経験しても安心して働けるよう育児支援制度を充実させています。

94名(1.8%)でしたが、 2015年4月には130名 (2.5%)と約40%増加し ています。今後も2020 年の目標達成に向け努力 していきます。

◦子が3才まで延長可能な育児休業制度 S

◦子が小学校卒業まで利用できる育児短時間勤務制度 S E

◦事業所内保育所の設置 E

◦保育料補助制度 S T

◦育児・介護などを理由に退職した従業員の再入社制度 S T ◦育児休業者の情報交換会の開催 T

280名以上

3

2020年(目標)

130名

2015年4月

94名

2014年8月

■ 女性管理職数推移と目標

2

「JFEこどもの森」で 過ごす保育児童

復帰に備えてミーティング で情報交換

2015年版ものづくり白書 ➡

http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2015/honbun_pdf/index.html

Web

ダイバーシティの推進 ➡

http://www.jfe-holdings.co.jp/environment/society.html

Web

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JFEグループの持続的な成長を図るため、安定的な採用を行うとともに、

採用ソースを多様化し、女性・外国人の採用および中途・通年採用を積極的に実施しています。

いわゆるサービス残業が発生しないよう適正な労働時間管理を徹底し、

ストレスなどを主因とする心の健康確保のためメンタルヘルス相談窓口を設置するだけでなく、

従業員の働きがい・生産性の向上を目的に、従業員間の交流を促進し、双方向のコミュニケーションを充実させるとともに、 長時間労働の改善、ワーク・ライフ・バランスの推進などの働き方改革にも注力しています。

● 採用計画と実績

第5次中期採用計画(2015~2017年度) 

1,200

1,300

名程度 2015年度採用実績 

1,190

◦総合職に占める女性採用比率:10%(46/442名)  内、事務系総合職:21%(26/122名)

◦総合職に占める外国人採用比率:4% (15/442名)

◦中途・通年採用比率:35%(407/1,190名)  うち、総合職に占めるキャリア採用(中途採用)比率:  33% (145/442名)

 うち、現業職に占める中途採用比率:  36% (262/735名)

多様な人材の確保

働き方改革

JFEスチールでは、専門業務型裁量労働制の研究部門への 導入やフレックスタイム制の適用を本社・支社だけでなく 製鉄所のスタッフ部門にも拡充することなどを通して、柔軟な働 き方をサポートしています。また、本社から製鉄所への設備投 資権限の大幅委譲やテレビ会議・パソコン会議などのITツール の有効活用といった業務再構築活動を行っており、意思決定のス ピードアップと業務の効率化に努めています。

JFEスチールでは、現業系新卒採用者の10%以上を目標とし て女性従業員の採用拡大に取り組んでいます(2012年度19 名、2013年度22名、2014年度24名、2015年度48名)。また、 働きやすい職場環境の実現に向けて、製造現場のトイレ・シャワーな どのインフラ整備も進めています。

JFEエンジニアリングでは、「早く出社して早く帰る」風土 醸成のため、就業時間を8時から16時45分とし、20時 以降の残業を原則禁止としています。また、システム化により付 加価値の低い仕事を20%削減する「SHAPE-UP」活動を実施し、 業務効率化を推進するとともに、あらかじめ上司との間で休みの 計画を作成する「働き方計画表」の活用や、有給取得奨励日・定 時退社日の設定などを行い、ワーク・ライフ・バランスの推進に 取り組んでいます。

JFE商事では、「Change of Work Time(ワー クタイムの変化)」として従業員の「健康増 進・ワークライフバランス増進・生産性向上」を目 的に、従来から毎週水曜日に実施している定時退社 デーに加え2015年4月より22時以降の深夜就業 を禁止し、時間外労働の削減に努めています。その 結果、残業時間は大幅に削減されています。

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JFEエンジニアリングでは、多様な文化、価値観をもつ人材を 必要としています。新卒だけでなく、キャリア採用(中途採用) にも注力し、総合職におけるキャリア採用者数は、2013年度40名、 2014年度97名、2015年度128名と年々拡大しています。また海外拠 点では現地化を推進し、現地の優秀な人材確保にも取り組んでいます。

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JFE商事では、新卒採用に関しては海外の大学卒業者や、第二新 卒者に対応した秋(10月)入社の導入などの多様化を進めると ともに、現在は総合職のキャリア採用に注力しています。専門知識を 持ったスペシャリストや他社での勤務経験を持った人材を採用するこ とで、さまざまな人材の確保を目指しています。

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終業後のサークル活動

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コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方

JFEグループは、持株会社の傘下に事業を展開する 3つの事業会社(JFEスチール、JFEエンジニアリン グ、JFE商事)を置く経営体制をとっています。

持株会社であるJFEホールディングスは、グループ の一元的なガバナンスの中心にあって、全グループの 戦略策定機能を担うとともに、リスク管理と対外説明 責任を果たすなど、グループ司令塔としての業務を遂 行しています。

また、事業会社は、事業分野ごとの特性に応じた最 適な業務執行体制を構築して事業を推進し、競争力の 強化と収益力の拡大を図っています。

このように、持株会社と事業会社がそれぞれ責務を 果たすことで、株主をはじめすべてのステークホル ダーにとっての企業価値最大化に努めています。

経営体制

● ガバナンス体制

JFEホールディングスおよび事業会社は監査役設置 会社であり、取締役会による業務執行の監督、監査役 による監査という二重のチェック機能を有していま す。さらに、経営の意思決定と業務執行の分離による 権限・責任の明確化、および執行の迅速化を図るた め、執行役員制を採用しています。

JFEホールディングスにおいては、社外取締役2名 (いずれも独立役員)を含む取締役5名から構成される 取締役会が、経営効率の維持・向上に努めつつ、法定 事項の決議、重要な経営方針・戦略の策定、業務執行 に対する監督を行っています。社外監査役2名(いず れも独立役員)を含む監査役4名で構成される監査役 会が経営を監視し、その健全性強化に努めています。

※1 JFEホールディングス 監査役が各事業会社 非常勤監査役を兼務。 ※2 事業会社の経営体制

は、JFEスチールを例 としています。 は指示、情報の伝達を表す。 ■は執行体制を表す。

※1

■ コーポレート・ガバナンス体制

◉事業会社※2

取締役会 監査役 会計監査人

経営会議 CEO(社長)

監査部 執行役員

◉グループ会社 ◉JFEホールディングス

株主総会

取締役会 取締役5名 うち社外取締役2名

グループIT会議 開示検討委員会

監査室 執行役員

会計監査人 監査役・監査役会

監査役4名 うち社外監査役2名

経営会議 CEO(社長)

グループ技術開発会議

グループCSR会議 議長:社長 グループコンプライアンス委員会

グループ環境委員会 グループ内部統制委員会

社長をリーダーとする CSR・コンプライアンス体制

(21)

経営の公正性・客観性・透明性を高めることによ り、企業価値および株主共同の利益を持続的に向上さ せることを目的として、これまでガバナンス体制の強 化に取り組んできました。2007年6月から社外取締 役2名を招聘するとともに、最適な経営を機動的に構 築しつつ、経営に対する責任を明確化するため、取締 役の任期を2年から1年に短縮しました。

● 重要事項の決定

グループを構成する各社の重要事項については、各 社の規程により明確な決定手続きを定めており、グ ループとしての経営に関わる重要事項については、 JFEホールディングスにおいて最終的な審議・決定を 行います。具体的には、各事業会社では、自社および 傘下グループ会社の重要事項について、またJFEホー ルディングスでは、自社・事業会社およびグループ会 社の重要事項について、それぞれ経営会議などで審 議、取締役会で決定しています。

● 最適な事業運営体制

JFEグループは、品種・事業ごとの戦略策定と収益 管理の一元化による最適な品種・事業運営を狙いとし て、各社ごとに最適な体制を採用しています。

● グループ横断の会議体

グループ共通の技術開発、ITの課題、CSRに関する 取り組みについては、グループ横断の会議体を設けて 審議しています。

社名 議長 出席者

JFEホールディングス 社長 執行役員、JFEスチール社長、JFEエンジニアリング社長、 JFE商事社長、監査役 JFEスチール

JFEエンジニアリング

JFE商事 社長

取締役、主要な執行役員、 監査役

役名 氏名 主な職業

社外取締役 前田 正史 東京大学 生産技術研究所教授

社外取締役 吉田 政雄 古河電気工業(株) 代表取締役会長

社外監査役 伊丹 敬之 東京理科大学 イノベーション研究科教授

社外監査役 大八木 成男 帝人(株) 取締役会長

社名 事業運営体制

JFEスチール センター・セクター制

JFEエンジニアリング 事業本部制

JFE商事 営業本部制

■ 経営会議の体制

■ JFEホールディングス社外取締役および社外監査役(2015年7月1日現在)

■ 各社の事業運営体制

グループ会議

◦グループ技術開発会議

◦グループIT会議

◦開示検討委員会

◦グループCSR会議

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内部統制体制

リスク管理体制を含むJFEグループの内部統制体制 は、「内部統制体制構築の基本方針」にしたがって、取 締役会規則、経営会議規程、JFEグループCSR会議規 程などの各種会議規程、組織・業務規程、情報保存管 理規程および企業対象暴力対応規程の制定や、企業倫 理ホットラインの設置などによって整備しています。 持続的な企業価値向上のため、2014年度に内部統制 体制構築の基本方針の一部改定を行い、内部統制体制 の改善に努めています。

● 内部統制体制の強化

内部監査

内部監査については、JFEホールディングスおよび 主要な事業会社ならびに重要なグループ会社に内部 監査組織(2015年4月1日時点でJFEホールディン グス、主要な事業会社、グループ会社に計175名)を 設置し、各社の業務運営に対する監査を実施していま す。また、各内部監査組織は、情報を共有することで、 グループ全体の内部監査体制の充実を図っています。

さらに、主要な事業会社の監査担当者がJFEホール ディングスの監査担当者を兼務することで、グループ 全体としての連携を強化しています。

監査役監査

監査役は、取締役会および経営会議、その他の重要 会議に出席するほか、取締役および執行役員などから 業務報告を聴取し、子会社から事業の報告を受けるな どにより、取締役の職務の執行を監査しています。法 定の監査に加え、さらに以下のような活動により、監 査役監査の充実、監査役間の連携強化を図っています。

◦常勤監査役をホールディングス以下グループの 32社に41名配置しています。加えて、事業会社 から、監査役業務を専任的に行う非常勤の社外監 査役として「派遣監査役」をグループ会社に派遣 しています。各派遣監査役はグループ会社3~4 社の非常勤監査役に就任し、派遣先で監査役監査

内部統制体制構築の基本方針 ➡

http://www.jfe-holdings.co.jp/company/h-gaiyo/naibutousei.pdf

Web

の実を上げるとともに、グループガバナンスの充 実に寄与しています(6名が24社を担当)。 ◦グループ各社の常勤監査役、派遣監査役で構成す

る「JFEグループ監査役会議」を設置し、その下 で部会・分科会ごとにテーマを設けて1年間自律 的に情報交換・研究・研鑽活動を行います。その 成果は「JFEグループ監査役会議総会」で発表さ れ、各監査役の監査活動に活かされています。

新任監査役 研修会 その他研修会 JFEグループ

監査役会議総会 (HD主催、53社47名)

JFE商事 および グループ会社 JFEスチール

および グループ会社

部会・分科会(テーマ別)

JFEエンジニアリング および グループ会社 ■ JFEグループ監査役会議

派遣監査役制度 (専任6名で24社)

監査役と会計監査人の連携

監査役は会計監査人(新日本有限責任監査法人)と 定例的および必要時に会合を持ち(2014年度は10 回)、監査計画、監査の実施状況や監査結果の詳細な報 告を聴取するとともに、会計監査人の品質管理体制に ついても詳細な説明を受け、その妥当性を確認してい ます。また、監査役も会計監査人に対し監査計画など の説明を行うとともに、意見交換を行っています。

監査役と内部監査部門の連携

監査役は内部監査部門と定例的および必要時に会合 を持ち(2014年度は4回)、内部監査計画、内部監査 の実施状況や監査結果の詳細な報告を聴取するととも に、意見交換を行っています。

事業会社のガバナンス

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JFEグループは、社会を構成する一員としての企業 の責任を自覚し、より良い社会の構築に向けて企業の 社会的責任(CSR)を果たしていくことを経営の根幹に 据え、取り組みを強化しています。その一環として、 2005年10月、JFEホールディングスに「JFEグルー プCSR会議」(議長:社長、約3カ月に1回開催)を設置 し、コンプライアンス、環境、人事労働、安全・防災、 社会貢献、反社会的勢力への対応など多岐にわたる範 囲を対象として、JFEグループのCSRへの取り組み を監督・指導しています。また、グループを横断する 「グループコンプライアンス委員会」や「グループ環境 委員会」「グループ内部統制委員会」などを設置してそ

れぞれの取り組みを討議するとともに「JFEグループ CSR会議」でこれらの内容を報告・共有しています。

● CSR監査

JFEグループは、CSRに関する重点項目が適切に実 行されていることを確認するために、内部監査部門に よる業務監査に環境管理、独占禁止法遵守、経費管理、 海外事務所管理、税法遵守、安全、防災などCSRに関 するテーマを盛り込み、各テーマについて計画的に監 査しています。

監査で問題点や指摘などがあれば、JFEホールディ ングスと事業会社の監査部門が連携することで、グ ループ内でその情報を共有し、グループ各社のCSR活 動に反映させています。

グループCSR体制

■ CSR推進体制図

JFEグループCSR会議

グループコンプライアンス委員会

グループ環境委員会

グループ内部統制委員会 議長: JFEホールディングス社長 メンバー: 副社長、執行役員、常勤監査役、

事業会社社長 その他

テーマ

コンプライアンス、環境、内部統制、人事労働、安全・ 防災、社会貢献など

❶ グループとしての方針審議 (重要案件に対する指示・指導含む)

❷ 方針の浸透状況の監督

❸ 課題や発生した問題への対処事例などの情報共有、 水平展開

JFE商事CSR会議

CSR推進会議(議長:社長)

環境管理部会 コンプライアンス部会

内部統制部会 安全衛生部会

情報管理部会 品質保証部会

防災部会 社会貢献部会

労働法務・労働環境整備部会

JFEスチールCSR会議

CSR会議(議長:社長)

JFEエンジニアリングCSR会議

コンプライアンス委員会 安全衛生委員会

環境専門委員会 防災委員会

CSR会議(議長:社長)

地球環境委員会 内部監査部会

CSR意識浸透部会 人事労働部会

安全・防災部会 CS(顧客満足)部会

社会貢献部会 コンプライアンス委員会

リスクマネジメント委員会 ルールの整備・周知部会

 

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基本的な考え方

「コンプライアンス(法令遵守)」はJFEグループの 基盤をなすものです。組織を構成する全員がコンプラ イアンスの知識や認識を深め、日々実践することで、 法と倫理に則った誠実で健全な事業活動を行っていき ます。そのために、コンプライアンスの一層の徹底と 定着を図る体制強化と諸施策を実施しています。

● 研修の実施

JFEグループ各社では、独占禁止法、インサイダー 取引防止、安全保障貿易管理、建設業法、外国公務員 贈賄防止、反社会的勢力との対応などのテーマ別にコ ンプライアンス研修を実施しています。また、管理者 研修や新人研修でもコンプライアンスに関する教育も 行っています。JFEスチールでは上記に加え、eラー ニングによる研修にも力を入れています。

● ルール周知活動の実施

JFEスチールは、毎年10月を「法令遵守強化月間」 と定め、「ルール周知活動」を実施しています。この活 動では、コンプライアンスガイドブックやイントラネッ トに法務部が掲載している資料、法令、社内規程など の読み合わせを国内外の部署ごとに行い、法令やルー ルを遵守する意識を醸成するとともに、実際の業務が ルールに適合しているかどうかを確認しています。強 化月間の活動を活かして、業務の見直しや、適切な手続 きを経たルール改正も実施しています。

JFE商事においても、年間を通じて規程などルール の読合せ(四半期毎)や、ガイドブック読合せ・ディス カッションなどを行うコンプライアンス強化月間(年 1回)を実施し、理解と浸透を図っています。

コンプライアンス体制

企業理念・行動規範に基づいた企業活動を実践する ための指針として、「JFEグループ企業行動指針」を制 定し、企業倫理の徹底について、JFEグループ役員・ 従業員に対する周知を図っています。

またコンプライアンスに関わるグループの基本方針 や重要事項の審議、実践状況の監督を目的として、社 長を委員長とする「JFEグループコンプライアンス委 員会」を設置し、3カ月に1回程度開催しています。 各事業会社でも同様の会議体を設置し、コンプライア ンスに沿った事業活動を推進・監督する体制を整備し ています。さらに、各事業会社でコンプライアンスに 関わる重要情報が現場から経営トップに直接伝わる制 度「企業倫理ホットライン」を導入しています。

コンプライアンスの徹底

● ガイドブックの活用

JFEグループは、コンプライアンスの意識強化の取 り組みの一環として、「コンプライアンスガイドブック」 を作成し、役員・従業員に配布しています。また、グ ローバルな事業展開に対応し、海外事務所などの現地 スタッフ向けにガイドブックの英語版を作成し、適宜 その拡充を図っています。

このガイドブックは、法令や社内ルールを守り、社 会常識に則って行動するための具体的な基準を、100 以上のケーススタディ形式で平易に解説したもので す。日々の業務の中で疑問を感じたり、判断に迷った

りしがちな状況や事例をまとめ、各担当部署による 解説を付記しており、それらの内容は弁護士による チェックを受けています。JFE商事では、商社独自の 25ケースを解説した商社版コンプライアンスガイドブッ クを作成して活用しています。

※ 延べ人数

社名 集合研修 eラーニング

実施回数 受講者数※ 受講者数

JFEスチール 48 2,471 約4,000

JFEエンジニアリング 67 2,610 ─

JFE商事 57 380 ─

■ コンプライアンス研修実績(グループ会社従業員の受講も含む)

参照

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